弁護士に質問した私の日常の疑問

私の日常の疑問を、弁護士等の専門家に質問して、教えてもらったことを、自分の言葉に直して、簡単に自分なりに紹介(解説)しています。

現在の勤務先の社長が、雇った従業員について、その従業員の前職の勤務先の社長へ問い合わせて、退職理由や勤務状況、素行などを聞き出した場合・・・聞いた方、話した方、両者とも何かの罪にはならないのか?<個人情報保護法、名誉毀損罪>

f:id:gimon15:20171024220433p:plain

 

<質問の概要>


再就職して、現在の自分の勤務先の社長が、

自分の以前の勤務先の社長に電話して、

自分の退職理由や、そこでの勤務状況や、

他にも細かい家族構成などのプライベートに関する情報を問い合わせて聞き出した場合、

聞いた方、つまり現在の勤務先の社長は何か罪になったりしないのでしょうか?



また聞かれた方の、以前の自分の勤務先の社長が、

ペラペラと自分のこと(元従業員の情報)に関して話した場合は、

以前の勤務先の社長も何か罪になったりしないのでしょうか?



以上、よろしくお願いいたします。




<弁護士回答の概要>


元従業員の個人情報を話した以前の勤務先の社長は、

プライバシーの侵害として損害賠償責任が生じる可能性はあります。

しかし犯罪になるとまでは言えないと思います。



また従業員のことについて、以前の勤務先に問い合わせた、

現在の勤務先の社長も、聞いたこと自体が犯罪になるとは言えないと思います。



以上、参考までに。

 

 

 

<私の考え>


今の職場の社長が、自分が以前勤めていた職場へ、

自分のことについて「どういう人だったのか?」、「退職理由は?」、などと、

電話で問い合わせすることがありますよね?


今現在でもこういうことは結構あるようです。



それで聞いた方と、話した方の両者が何かしら犯罪にならないのかなぁ?

と思って弁護士さんに以前質問してみました。



はっきり言っていろいろと自分の個人情報に関してやりとりされると、

嫌な気分になりますよね。

聞く方もむかつきますが、ペラペラ元従業員に関して話す方もどうかしていますよね。



弁護士回答の概要からも分かる通り、

聞いた方は、刑事的にも民事的にもなんの責任も負わないらしいです。

これはなんとなく納得できますが、

話した方も民事上での責任はともかく、

犯罪にならないというのはちょっと納得しがたいですが、まぁ仕方がないでしょう。




それでなぜペラペラと元従業員の情報を部外者に話した方も、

刑事上での責任を負わないのかというのをちょっと説明します。

 

 

 



まず、とりあえず、

“話した方”に当てはまりそうな法律違反としては、

個人情報保護法違反 が考えられないこともないでしょう。



退職した従業員の“個人情報”も個人情報保護法で保護される「個人情報」に一応当たります。

しかし、他に弁護士などの意見を調べたところによると、

元従業員の退職理由や勤務状況などの、

法で保護される「個人情報」に当たり得る情報や、

元従業員の家族構成などの、

もっとプライベートな間違いなく法で保護される「個人情報」に当たる情報を、

部外者である、現在の勤務先の社長に話したとしても、

それくらいで個人情報保護法違反で立件されることはないでしょう。



数年前の個人情報保護法の改正で、

個人情報を5000件以上保有する事業者のみ適用対象という要件がなくなり、

すべての事業者に対して個人情報保護法が適用されるようになったといはいえ、

以前と同様に軽微な情報漏洩などの事案では、

警察はわざわざ事件として捜査したり立件したりはしないと思われます。



また今回、弁護士に質問した際に、

“話した方”に 名誉棄損罪 が成立する可能性も少々ありえるかも、と

弁護士がほのめかしていました。



聞かれた方、つまり前職の勤務先の社長が、

元従業員の悪口を言った場合、

例えば、態度悪かったとか、喧嘩して辞めていったとか、言った場合ですね。

その場合、事実か嘘かに関わらず、名誉毀損罪もとりあえず考えられます。



しかし、名誉毀損罪の成立には、公然性が要件となっています。

要は、たくさんの人に悪口を言い回らないと成立しません。

現在の勤務先に社長一人に悪口を言ったとしても、

広まる可能性が無ければ成立しえないでしょう。




ということで、弁護士が話した通り、

元従業員の個人情報を話したとしても、

以前の勤務先の社長は、何の罪にもなりません。




余談ですが、もし従業員が、

仕事で必要な資格を本当は持っていなかったり、

前職の勤務年数や役職の詐称が、

問い合わせで発覚した場合、

聞いた方や、話した方に文句言う以前に、

逆に従業員の方が職歴詐称で、現在の勤務先で懲戒処分になる可能性が高いでしょう。



・・・今回の記事は以上ですかね。

 

 

 

*** おすすめの本 ***

 

小さな会社・お店の新・個人情報保護法とマイナンバーの実務

小さな会社・お店の新・個人情報保護法とマイナンバーの実務

 

 

この本をサラリと読んだ時に初めて、

個人情報保護法がいつの間にか改正されていたことに気づかされました。



以前と違い、すべての事業者に個人情報保護法が適用されるようになったため、

中小企業や個人商店も個人情報の取り扱いに気を付けなければいけません。



そういった今まで個人情報保護法を気にする必要が無かった事業者にむけて、

どのように個人情報を管理すればいいのか教えようとしてくれている本です。




もちろん顧客の情報だけではなく、雇っている従業員の情報も、

広く法で保護されていますので、

個人情報の管理はけっこうめんどくさいと思います。



従業員を雇っている中小企業や個人商店の人には、

一度目を通しておいてもらいたい本です。