弁護士に質問した私の日常の疑問

私の日常の疑問を、弁護士等の専門家に質問して、教えてもらったことを、自分の言葉に直して、簡単に自分なりに紹介(解説)しています。何か感想があれば、ご自由にコメントしてください。

自分の親の所有物だと思いこんで勝手持ち出してきた(窃盗してきた)物が、実は赤の他人の所有物だった場合、盗んだ人は実際に窃盗罪に問われてしまうのか?<親族相盗例、事実の錯誤>

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<質問の概要>


例えば、子供が、自分の親の所有物だと勘違いして、

親の机の上に置いてあった腕時計を勝手に持ってきたら

実は親の知り合いの所有物だった場合

子供は窃盗罪として処罰されるのでしょうか?



親の所有物だと勘違いしたのだから、問題ないのでは?



以上、よろしくお願いいたします。




<弁護士回答の概要>


親族の所有物だという誤解があるだけで、

窃盗を基礎づける事実を認識している、

つまり 「 (誰の所有物でもいいから) 人の所有物を盗もう」という認識はありますので、

窃盗の故意は否定されず、窃盗罪は成立するでしょう。



それに結果的に、赤の他人の所有物を盗んでしまったことは事実ですし。




以上、参考までに。

 

 

<私の考え>


まず親子間の窃盗に関しては、

親族相盗例という定めが刑法上ありますので

親族相盗例が適用された場合は刑は免除されます。



無罪ではなく免除となりますが、

実質、無罪になるのと同じです。






今回の質問事例の話になりますが、

子供が親の所有物を勝手に持って行った(つまり窃盗)場合、

子供は持っていくときに

「親の所有物なら、後から親に叱られても親族相盗例が適用されるから問題ない」

と思っていたとします。



しかし、子供が持ち出した物が、

実は親の所有物ではなく、

親の知り合い、つまるところ「赤の他人」の所有物だったとしたら・・・



ふつうに考えれば、自分とは血の繋がっていない赤の他人には、

親族相盗例が適用されないから

盗んだ人(子供さん)は処罰されるはずです。




しかし、あくまで「自分の親の所有物だと勘違いした」ということであれば、

一見 「犯罪を犯そうという気持ち」

つまり“故意”が無いように見えるので、

窃盗罪が成立しないようにも思えますが、


親の所有物であれ、他人の所有物であれ

「人の所有物を盗んだ」という認識が本人にあれば、

十分“窃盗の故意”はあるものとみなされて

結果的に、「赤の他人の物を盗んでしまった」 ことも事実ですので、

何も問題なく、その子供さんは窃盗罪で処罰されるということです。

 

 

 

 

この質問事例は、内容は多少違いますが、

過去に裁判で争われた事例で、結構有名な話です。



身内の所有物を盗んだと思ったら、

それが赤の他人の所有物だったとしても、

盗んだ本人は、「身内の所有物を盗もう」と思っていたのだし、

① もしかしたら親族相盗例が適用されて処罰されないのでは?

② または、窃盗罪の成立に必要な“故意”が否定されて、犯罪が成立しないのでは?


などと、主な争点 がありました。




結論は、最初にもう述べてしまいましたが、

親族相盗例は適用されず、窃盗の故意も否定されずに

そのまま窃盗罪が成立することになりました。






今回述べた事例に関しては、

私自身もたまたま思い出して弁護士さんに以前少し質問してみて、

自分でちょっと調べてみただけですので、

かなりうろ覚えな部分があります。

なので気になった方は自分で掘り下げて調べてみて下さい・・・・





あと、今回の質問事例とは逆に

「他人の所有物だと思って、親の所有物を勝手に持っていった」場合は、

「人の所有物を盗んだ」という認識、つまり窃盗の故意はあるでしょうが

結果として“自分の親の所有物を盗んだ”だけなので、

親族相盗例が適用されて、盗んだ本人は処罰されないみたいです。








・・・・・とまぁ、今回の記事は以上です。