弁護士に質問した私の日常の疑問

私の日常の疑問を、弁護士等の専門家に質問して、教えてもらったことを、自分の言葉に直して、簡単に自分なりに紹介(解説)しています。

「損害を出したら、すべて賠償します!」という誓約書にサインさせるのは、労基法違反か?

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雇用先から、従業員として雇われる際に


「 仕事上など一切のことで、職場に損害を与えたら

その損害をすべて(全額)賠償します。 」


などと、書かれた誓約書に

サインさせられることが実際にある。

 

 

・・・私の経験上、どこぞの薄給のチェーン店のバイト先で

まず最初に

こういう誓約書にサインさせられたことがあるのですが

どこでしょうかねぇ?

 


とにかく、こういう誓約書に従業員として働く人に

事前にサインさせたら

労働基準法の“賠償予定の禁止”の条文にひっかかって

犯罪になるんじゃないのか?と思った。

まぁ、とりあえず労基法に定められている

賠償予定の禁止の条文を、はっておきます。

 

 

 

(賠償予定の禁止)

 

第16条  

 

使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、

又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。

 


・・・・「罰則」は

6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金となっています。

 

 


弁護士さんに聞いてみたところ、どうやら

その労基法16条の「賠償予定」の規定というのは

具体的に “いくら” という額を決めて定めることであり

単に「損害を出したら、それらすべてを賠償します」と

あいまいに、賠償する額を明確に決めずに

書面とかにしたためて約束させられても

労基法16条に触れない、、、、とのこと。

 

 


そもそも、この16条の規定は、あらかじめ、というか、事前に

「仕事で、こういうミスしたら、~円とるから!」

と、

不当に高い額を具体的にいくらぐらいか

一方的に雇用先が決めて(定めて)

ミスして実際に生じた損害よりも多額の損害額を

雇用された側(従業員)が

賠償させられることを防ぐ目的で作られた条文らしいですからね。。。。

 

 


だから、今回のような誓約書にサインさせられても

雇用先を労基法違反に問うこともできませんし

サインした方(雇用された従業員)も、

仕事でミスしたりして損害を出しても

その実際に生じた損害に応じて、損害額を決定して

雇用先から

請求されたら、賠償すればいい、ということで。

 


つまり、「いくら~円、賠償します」、と

具体的にいくら賠償しろ、と明確に書かれていない

誓約書には何の効果も無い(法的拘束力が無い)ということ。

 

 


だから、

そんな書面(誓約書)にサインさせた方は

もちろん労基法違反に問われないし

サインした方も

別にこれといって仕事上でミスして損害を出しても

不利になるわけでもない・・・・・

お互いに何の影響も無いってことです。

 

 

 


それに、こういう誓約書にサインして雇ってもらった従業員が

仕事でミスして

雇用先の職場(会社やバイト先)に

いくらか(多額の)損害を与えてしまい

雇用先が、

その従業員が事前にサインした「損害をすべて賠償する」という

誓約書に基づいて裁判(訴訟)を起こしてきて

出た損害を全額請求してきても、

雇用先からの請求額は、ある程度制限される、つまり

損害の全額を賠償させられることはあり得ないでしょう。

 


損害が、裁判で認められるにしても

実際に生じた損害額をしっかり計算した上で、その金額より

結構低めの賠償額になるでしょう。

(意図的に損害与えたわけでも無ければ・・・)

 


なぜなら、

雇用先、つまり職場というのは人を使って利益を出しているから

そのことによって発生しうるリスク(危険や損害)も

雇用先である職場が背負うべきという考え方がありますので。

少ない給料で働かせているんだから、当然の考えですよね。

 

 


そうであると決まっているのに

「出した損害をすべて賠償する」とか書いてある誓約書に

雇用先が、従業員となる人に

わざわざサインさせるのは、なぜなのか?

 


雇用先が、個人の店とかでもない、

それなりに規模のある会社とかであるなら

こういう誓約書にサインさせても何の効力も無いことぐらい

知っているでしょうに、、、、、というか

知っていてあえて書かせているようにみえるのですが。

 


具体的な数字をまったく出していない誓約書であるところが

労基法16条に触れないように

完全に意識しているようにも見える。

 


つまり、

「仕事でミスを極力するな、気を引き締めろ!」っていう

タダの激励のつもりなんでしょうか?

 


私も先に言ったとおり、

このような感じの誓約書にサインさせられた上で

それなりのミスをしたこともあったが

それら全部を弁償させられることなんてなかったし。

(たまに少額、弁償させられることはあった)

 


それでも、労基法に無知な従業員が

雇われた時に、こんな誓約書にサインしろ、とか言われたら

中には、それなりに恐怖を感じる人もいるでしょうに。

学生のバイトとか。

 


サインさせられた(署名・押印させられた)方は

嫌な気持ちになりますよねぇ。。。。

 


なんというか、激励、というよりも雇用先からの、威嚇

と、考えた方があっているのかもしれませんね。

私にとっては、ただの幼稚な嫌がらせにしか考えられませんね。

・・・まぁ、今の私にとってはどうでもいいことなんですけどね。

 


それに、雇われる時に

そんな誓約書にサインしろ、とか言われても

嫌なら、別の職場を探して行けばいいだけなんですから。

 

 

 

おすすめの本

 

採用・面接で「採ってはいけない人」の見きわめ方 (DO BOOKS)

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もしかして、今回の記事で

雇われる際に事前に書け、と言われる誓約書も

ひとつの 採用試験 みたいなものなのか?

 

仕事上において、どんなことでも

自分のすることによって出た結果に

ちゃんと責任を持て(責任をとれ!)

、、、、、ということか?

 

こんな誓約書ぐらいサインできないような奴なんか

イランってことか、めんどくさそうな奴だし。